酒、煙草、バンド、旅 、労働者が好きなユーモア溢れるフィンランドの監督
小津安二郎を敬愛していたらしくスクリーンに映る小物などにもかなりのこだわりがあり、SPACE DOH的にも毎回発見があります。
監督曰くハリウッド映画は幼稚園との事
ハリウッド映画の面白さとは真逆の面白さがしっかりと感じられます。
映画自体は小難しい訳ではなく煙草や酒をやりながら気楽に観るのが良い
独自の色調 かっこいい構図で淡々としている感じとこれまた独自のユーモアが折重なり癖になってしまいます。
映画を観始めて常連のマッティー ペロンパーが登場すると思わずニヤリとしてしまう。
このDVDBOXに集録されている映画の本数はpt1.2合わせて16本 短編が8本と見応えがあります。
全作品安定して面白いが印象に残った作品は レニングランドカウボーイズシリーズと「真夜中の虹」
レニングランドカウボーイズ はスリーピースリーパーズと言うバンドを監督が架空のバンド役で映画に出演させたのがきっかけで映画の枠を超えてカルト的な人気が出ました。
メンバーは10人前後 旧ソ連の軍服にトンガリ靴とトンガリリーゼントヘアにサングラスと異様な出で立ちでロシア風で放牧的なロックを奏でる
この2作品はロードムービー系で笑えるし観てて楽しい気分になります。
「真夜中の虹」この作品は何をやっても上手くいかない主人公がしまいには刑務所に入れられてしまいそこで知り合った男と脱獄 そして最後の賭けに出る というような内容で淡々としたハードボイルドと乾いたテンポの良さに心地よく痺れ 気分が良くなりました。
煙草への愛 バンドへの愛 酒への愛 大衆への愛 映画への愛を感じる愛すべき監督だと思います。